どうして血糖値測定器が必要なのか
糖尿病になると、どうして血糖値測定器を準備しなければならないのでしょうか。たまに数値を測って「上がった」、「下がっている」と一喜一憂するために、血糖値測定器を使うわけではありません。ただ自分の数値を反省材料にするだけなら、定期検診を受けるだけでも十分です。
糖尿病患者や糖尿病予備軍の人間の血糖値が高いのは当たり前のことで、ヘモグロビンA1c8.5を突破した私には、血糖値測定器を購入したのにも明確な目的がありました。自分の血糖値の変動を把握して、自分が食べることができる量と食材を知るためです。白米なら茶碗にどれぐらいよそっても大丈夫なのか、ジュースの種類にもよりますが、基本的にはやっぱり飲んではいけないのかなど、血糖値測定器を使って反応を確かめながら食べてもいいと言える食材、そして量も大切ですから把握するように努めました。
また、血糖値は心身の影響を受けやすく数値が変動します。病院で年に数回測るだけではデータが完全に足りません。糖尿病が治らないことは有名です。私も担当医から失明と足切断のリスクを口にされていたので、後戻りできない状態でした。
血糖値をコントロールするのに、血糖値測定器は欠かせません。もう自己満足の食事療法はできないなと、好きなものをお腹いっぱい食べる生活から足を洗う決心がようやくつきました。
視力が奪われてしまい普通に歩くことができなくなってから「あの時お医者さんに言われたことを素直に聞きアクションを起こしていればよかった」なんて悔やんでも悔やみきれません。
1型と2型が併発する危険なケース
糖尿病の原因の9割は不摂生な生活です。ところが原因不明の怖い糖尿病もあるのでご注意下さい。血糖値測定器は怖いタイプの糖尿病による危機に早く気づくためにも役立ちます。
糖尿病は何種類かあり主に1型と2型に分類されます。1型は原因不明で、突然膵臓のインスリン産生細胞が壊れてインスリンが一切分泌されなくなります。遺伝と不摂生な生活で発症する2型糖尿病とは異なり、1型は痩せ型体型の若い年齢で発症する傾向があります。
中高年で肥満体型だった私は完全に2型だったので、1型糖尿病とは関係ないと思っていました。しかし、1型と2型は併発する可能性があります。2型は徐々に進行するから大丈夫だと油断していると足元を救われかねません。いきなりの発症でスピーディーに病状が進行するのが1型の特徴です。それも数ヶ月であっと言う間に悪化します。
もっと恐ろしい劇症1型糖尿病だと、1週間以内に病院に緊急搬送されるほど高血糖状態になります。2型と1型は併発することもあるので、血糖値のコントロールが出来ている落ち着いた状態でも日々測定はストップ出来ません。毎日測っていれば少しでもおかしい変動に早い段階で気付いて手を打つことができます。何しろ原因不明なので、誰であっても可能性があります。
2型糖尿病の原因は
原因不明の1型とは異なり2型糖尿病の原因は明らかです。もともと糖尿病になりやすい遺伝を引き継ぎ、本人が不摂生な生活を続けると発症します。初期は自覚症状が乏しいものの、見た目でも結構分かるものです。
40歳以上で肥満体型なら高い確率で血糖値に異常を抱えている可能性があります。食べ過ぎ、飲み過ぎ、それから早食いも引き金になります。不規則な生活や運動不足など、本人も原因を自覚しつつ改善できないまま発症してしまうと言うパターンが大半です。
2型の場合、生活習慣にまったく問題がないのに、いきなりレッドカードを突きつけられることはありません。本人も周りも薄々気づいているのに、精密検査を受けるのを先延ばしにして診断の確定が遅れているだけです。
血糖値をリアルタイムで測り原因を可視化しましょう。同じ献立を食べていても、体調が悪いと血糖値が上昇することもあります。ストレスも立派な糖尿病の原因なので、自分がどんな時に疲れやすいのか把握して、具体的な対処法を考える時も血糖値測定器が役立ちます。
ストレスも血糖値上昇の原因
ストレスは目に見えないと思われていますが、血糖値測定器を使えばメンタル・コンディションも把握することができます。肥満や食生活、運動不足だけではなく、ストレスも立派な糖尿病の原因です。
ドイツで行われた調査でも強いストレスを感じていると、なんと糖尿病発症率が45%も上昇することが明らかになりました。20代から60代まで5,000人以上の人間を13年以上も追跡調査して判明した結果ですから一定以上の信ぴょう性があります。
特に強いプレッシャーを感じる仕事に就いていると、太っていなくても発症率が上がることが分かりました。女性を対象にしたカナダの調査結果からも、「日々仕事のストレスを感じていると2型糖尿病を発症する確率が2倍に増える」と指摘されています。
私も今、スケジュール帳と血糖値を照らし合わせ、ストレスの可視化に励んでいます。自分がどんな時に強いストレスを感じるのか分からなければ、対策を立てることができません。同じ献立を同じ量食べていても、妙に数値が上がる時は要注意です。
会議の前に強いプレッシャーを感じやすいなら、普段の倍準備に時間をかけることで無駄な不安を解消しやすくなります。苦手な取引先に行く時に気分が落ち込みやすいなら、夕食に好物を食べるようにして自分にご褒美を与えます。ストレスをまったく感じないようにすることはできませんから、和らげることができるものは和らげることが大切です。